「れいれい」という呼び名について

 私が気に入っている「れいれい」という呼び名は、私が関わらせていただいている本郷台に立つ「あーすぷらざ」の創作表現クラブで生まれました。 定期的に表現活動を行う小学生を対象にした、このクラブで子供達に何て呼んでもらおうかと考えた時、「先生」は嫌だったし、「リーダー」というのもつまらないし、名前そのままというのもと思い、考えたのが「れいれい」だったのです。
初めは照れくさかったのに、慣れてくると、れいれいと呼ばれるのが妙に嬉しく、尚かつ子供との関係性を育んでいっている事に気がつきました。
 彼らは私を「れいれい」と呼ぶ事で、先生という従属関係から逃れる事ができるようで、多少悪口も言いながらも、本音でつき合ってくれるようになっていった気がします。
そういう風に年齢や性別などに関係なく、人間と人間としてきちんと向かい合うという事は、私にとって何より大切な事です。 自分自身の経験からも、絶対的な服従関係しか結べなかった音大時代から、一転して、オーストリアのオルフ研究所という所で、教授クラスの人達に対してもファーストネームで呼ぶ事のできる環境に飛び込んだ私は、そこに開放感を見い出し、尊敬をしながらも親しみを持ち、自分が大人になったような気がして、誇らしげな気持ちになったものでした。 
 普段は、シュピールハウスで、先生と呼ばれている訳ですが、気持ちは同じで、子供達といつもそういう関係を保っていきたいと考えています。
 ですので、この柴田礼子のコーナーでもそういう願いと私の好みをまぜこぜにして、「れいれい」を使わせて戴くことにしました。「れいれい」の事、どうぞ宜しくお願いします。

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