柴田礼子のカオハガン日記


4日目 4月20日(木) 「子供達の輝く目に出会った日」

いよいよ子供達との活動が始まった。 昨日の打ち合わせでは、一日に3クラス教えるという事になっていたが、子供達の大事な仕事である貝拾いの時間(貝細工の為の貝を拾うのも、子供達の仕事なのだ。そして、それは潮が引いた時間に行う)などの関係で、結局2クラスになった。 

今日のプログラムは、「吹き絵」と「砂絵」にした。 以前から、造形美術に新らしい視点がほしいような事を伺っていたので、ここで調達できる材料や素材を使って、子供達が初めて体験するようなプログラムになるよう試みた。 午前中は、コミュニケーションやスキンシップを計る為に、様々なスキンシップ遊びや息の遊びをいっぱいした後に、ストローで描く「吹き絵」を行った。 

クラスは結局、学年別に分かれたのではなく、何となく分かれた1年生から6年生までの混合のクラスである。 普通は年令差があるとやりにくいものだが、兄弟のように仲の良いここの子供達は何をやっても、真剣で尚且つ、嬉しそうな様子で私のやることを受け止めてくれた。 

当然、どこにでも、いろいろな子供達がいる訳だが、少し変わった子がいても、少し遅い子がいても、関係のない兄弟を連れてきていても、障害児が混じっていても、全然問題なく普通に接し、さりげなく助けたりしているのだ。

午後は、カオハガンの砂(ここの砂は真っ白で染めるといい色になるんだ〜)を絵の具で染めて、色砂を作って、それで「砂絵」をやった。 この際も、砂でまず遊ぶ事にし、風船の中に砂を入れて音を出してみたり、みんなで磁石を持って外に行き、砂鉄を取って、砂鉄遊びをやったりした。 

砂鉄遊びでは、砂鉄を磁石で動かしながら、声を出すというのをやったのだが、砂鉄を初めて見た子供が殆どで、真剣に、しかし嬉しそうに声を出していた。 そういう姿を見て、私はやたらに嬉しくなってしまった。 

ビーズや砂を入れた風船遊びなど、シンプルな事にここまでこんなに反応してくれるんだと、こんなに目を輝かしてくれるんだと、そして、そういう顔に出会えた事をとても感謝した。

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